ダイヤモンドは砕けない

お疲れ様です。いやあ、乗ってますか、飛行機。ぼくはなぜか毎月乗っています。経費で落ちませんかねこれ。だめですか。

頻繁に空を飛んでて気づいたことがあって。というのも飛行機から降りる時の『前方座席のダイヤモンドメンバーの方から順にご案内いたします』のアナウンスなんですけど。

いや、ダイヤモンドメンバー言う必要なくないか？

前の座席の人から順番に退出するのは理にかなってます。だから前方座席はわかる。でもその人たちがダイヤモンドメンバーっていうのはそのダイヤモンドメンバー以外の人は知る必要ないし、ダイヤモンドメンバーの人たちは自分たちがダイヤモンドメンバーであることは知っているわけだからダイヤモンドメンバーの人から退出する恩恵を受けられることはわかっているのですから。

じゃあなぜそういうアナウンスをするのか。

マウントなんですよ。これ。

お前らのようなカスとは身分の違うダイヤモンド方々のおな～り～～～なんですよ。しかもダイヤモンドメンバーはスン・・・とおすまし顔のままで、航空会社側のアナウンスによってとれる安心安全合法マウントなんですよ。いえ、私たちは決してそういうつもりではありませんでしたが、航空会社さんはそのようにおっしゃっているようですね・・・ホホホ・・・なんですよ。

ダイヤモンドメンバーは前述の通り飛行機における前方の広めの座席に座っているので、飛行機から最初に降りるのはわかるじゃないですか。実は乗るときも最初なんですよ。いや厳密には一番最初に乗るのは身体が不自由な人とか介助が必要な人です。その次に待合室で『ダイヤモンドメンバーの方を先に機内へご案内いたします』とアナウンスされて、彼らは肩で風を切るように颯爽と飛行機に乗り込みます。背筋は伸ばし、顎は気持ち高く、値踏みするように鋭く世界を睨みつけ。飛行機へと乗り込むわけです。

僕たち一般人は後部座席の方からご案内します・・・というしょぼくれたアナウンスで、周りの顔色をうかがい、ヘェスイヤセンあっしみてえなモンが・・・改札でQRコードの読み取りに手間取れば受ける視線はもはや人権を失った者のそれと化します。

後部座席から乗り込むのはそうですよね。だって手荷物を上部の棚に収納したりするのですから、前の席から乗ってたら効率が悪いですものね。

ダイヤモンドはそれらすべての常識を無視します。最初に搭乗し、後から乗り込んでくるクズどもを広い席で見おろし(座ってるけど)、優雅なフライトを楽しんで、最初に飛行機から降ります。それを航空会社がダイヤモンド様のおな～～～～り～～～～とやっているのを見せつけられ、こうべを垂れ、乗り物酔いに悩まされ、狭い席で足を痛めつけながら、どうにかこうにか今日まで生きてこられました。いつか、いつの日か、僕はあの悪辣非道なダイヤモンドメンバーたちを一網打尽に駆逐して、世界にいつかきっと世界に平和を、マウントのない人類の真なる平穏を・・・くっそぉ・・・

そもそもダイヤモンドメンバーってなんなんですかね？ニコニコプレミアム会員みたいなもんだとは思うんですが。気になったので調べてみました。

ANAプレミアムメンバーステイタス獲得条件

https://www.ana.co.jp/ja/jp/amc/reference/premium/status/

>一年間のプレミアムポイントで翌年のステイタスが決まります。

はい。

>ステイタスは３段階、ブロンズ、プラチナ、ダイヤモンド。

はい。

>年間のプレミアムポイント100000、うちANA運航便50000ポイントでダイヤモンド。

はい。

ためしに僕がアイドルのためによく利用する便(土曜日の午前の長崎発羽田行ANA国内線)を入力したところ、900ポイントになりました。往復で1800ポイントとして、56往復。長崎と羽田を56往復。1年間は365日ですから、1年間は52週。ん、ん、えーっと・・・毎週土日に飛行機乗って、4回足りない、んん・・・高い席やプランならもっとポイント回収率も高いのだろうけど・・・いや、これは・・・

いや、流石に当たり前だろうと。ダイヤモンドメンバーが航空会社にもたらす莫大な利益を考えたら、この程度の特別待遇は当然・・・最初に乗って最初に降りるくらい、座席がちょっと広いくらいで済んでよかったと庶民どもは喜ぶべき。世が世なら一般席に座ってるやつからランダムに選んでバケモノと殺し合いさせられてますよ。最初に乗るだけで本当によかった。ダイヤモンドありがとう！感謝。

(実際にはANAは改札で手間取っても優しく教えてくれますし、機内では飲み物とかくれます。いつもりんごジュースありがとうございます。この記事はジョーク記事です。ANA最高！)