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【感想文】天穂のサクナヒメ(ネタバレ全開版)

この記事は天穂のサクナヒメの重大なネタバレを含みます。ネタバレ少な目版のほうは本当に未プレイの人でも読めるように書いたつもりですのでそういう人はそちらをお願いします。

 

 

 

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・きんた

麓の世の愚かな人間たちに絶望し、石丸に同調する部分さえあったきんたは、鍛冶を通して自己実現に成功しました。打った刀が暴走してしまうというアクシデントもありましたが、最後には大龍を穿つほどの武器まで作ってしまいました。大龍討伐後は麓の世に帰って鍛冶の腕を試す、そして一度は絶望した世の中にもう一度希望を見出したいとまで言いました。

 

いや、まじでこれ、良すぎんか。きんた最初はクソ生意気だし神様とか全然信じてないし口悪いしでアレだったんですけど、クリア後のこれみたら絶対カッコイイ男になったことがわかるしなんでゆいとくっつかなかったんだ。いや、後日談のさらに後にゆいと結婚してるよ。僕の中ではそういうことになったからそれ以上は余計なことを申すな。

 

 

・ゆい

めっちゃ可愛い上に実は鶴。鶴の恩返しのあれです。人の姿を与えられる代わりに『機織りを他人に見られてはならない』というルールを強いられていた彼女は、ある日サクナヒメに禁を冒されてしまい、鶴の姿に戻されてしまう。それをきんたの言葉で神?なんかよくわかんない強い存在を納得させ、ゆいを人の姿に戻すことに成功。

 

これは結婚でしょう。ゆいはずっときんたに一途だし、きんたも年ごろになればそのありがたみがわかるはず。僕の中ではゆいきんです。余計なことは申すな。

 

あとなんでしたっけあの鶴に変えてた神みたいなUFOのやつ、あれはきっとサクナヒメの視点で、サクナヒメは豊穣の神だから豊作の象徴として茶碗、丼に見えてたんじゃないかなと解釈しました。きんたがあれ見えるようになったらきっとひとくいサーベルみたいに刀の形してるんじゃないかな。

 

 

・ミルテ

一人だけ外国人、一人だけまったく別の宗教。メンバーの中であきらかに異質な存在なのに、不思議と浮かないのは彼女自身の人柄のよさに起因するものなのだろうね。

 

ストーリーの要所で別の視点からの考え方を提示する彼女の言葉は、プレイヤー自身にも思考の余地を与えます。すべてが終わったら皆はどうするのか、いつか別れは必ず来る。終わりは必ず・・・無意識で目を背けていた事実から真正面から向き合う彼女の気高さ、尊さ、そしてプレイヤー自身への問いかけとなるんですよね。ゲームにはエンディングがありますから。

 

でもゲームが終わっても終わりじゃないというか、僕たちの人生は続いていくので・・・なんかそんな感じです。うまく言えないですけど・・・。

 

 

 

・サクナヒメとココロワヒメ

豊穣の神サクナヒメと発明の神ココロワヒメ。互いに友だと言いながらも心無いサクナヒメと言葉足らずのココロワヒメはいつしかすれ違い、傷つけあい、そしてお互いに理解を深め、歩み寄る。サクナヒメが頑張ったせいでココロワヒメが心を病んでしまうというのは、なんとも人間的というか、世の中ままならないなと。

そしてこの二人のシンボルは稲穂と歯車。そう、五円玉です。

 

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(画像はwikipediaより)

 

五円玉の意匠は稲穂、歯車、水面。このデザインになったのは戦後4年の1949年の話。当時の日本の状況と、日本の産業をモチーフにしたこのデザイン。五円玉の当初の素材は、敗戦によって利用価値のなくなった大量の薬莢をスクラップ化したものを転用したものだそうで、敗戦の落とし子なんて言われることもあるそうです。一度ぐちゃぐちゃになってそこからまた立ち上がる。より結束を固め強くなる。そんなイメージをもちました。

 

で、これよくみたら表(日本国の印字があるほう)には双葉の若芽が2つあるんですね。ここまで狙ってやってんのかな。あまりにも良すぎでしょ。

 

 

・サクナヒメとタマ。サクナヒメの決意。

 やっぱりサクナヒメがいかように成長していったか、ということなんですよこのゲームは。丁寧な稲作のおかげでサクナヒメの成長に説得力が生まれたんだけど、最初に大龍が復活したときに星魂の剣を打ち直すかどうかみたいな話で、二度とその話をするなというサクナヒメと、やっぱり打ち直すと決意したときのサクナヒメと、こんなに小さな体に背負ってるものがいつのまにか大きくなりすぎて、本当につらかったしうまいことタマ死なない感じになってよかった。あれでタマ死んでたら・・・いやまあ話的にはそっちのほうが劇的な感じはしますけど、やっぱちょっとハードなんで僕としては死なないほうが好みですね。大事なのはサクナヒメが決意したという事実なので・・・

 

 

 

・エンディング タイトルロゴ

エンディングが本当にブチ抜けてよかった。というかここまでの積み重ねあってのこれだったので・・・。全編通して割と対比になってるとこ多かったと思うんですけど、例えばテクサリ団子もそうだし、船で逃げ出そうとするシーンもそうだし、田植唄もそうだと思うんですけど、大龍討伐のときに峠のみんなで田植唄打ち鳴らして送り出すシーンとか、意味を考えたらだってあれ一人じゃないよって意味だもの、壮行の送り出しでありながら、この6人にとっての田植唄ってのは最初の田んぼ拡張のときに苦難を乗り越えるために皆で歌った田植唄なので・・・大龍倒して地面に大の字になるところなんかもあれ都でぬくぬく寝て過ごしていた頃とは全然ちがくて・・・

 

大龍といえば3つ首の名前が火、土、水なんですよね。太陽、田んぼ、水と考えるとこう、トヨハナを腹に収めたからそうなったのでしょうかね・・・タケリビはまあ完全に尻に敷かれてたし大龍の見た目には影響しなかったということで。

 

エンディングの彼岸花の咲く田んぼを歩くサクナヒメと河童、そしてエンディングテーマが田植唄。もうたまらんすぎでしょ。稲穂の黄、畦の緑、彼岸花の赤があまりにも美しすぎて本当に最高。なんなんですかね、うまい言葉が出てこない。感情の昂ぶりが意味不明なことになりました。

 

最後の最後に表示された天穂のサクナヒメのタイトルロゴ。最初にみたものと全く同じタイトルロゴのはずなのに。僕には立派に成長したサクナヒメ、どこに出したって恥ずかしくない、戦神タケリビと豊穣神トヨハナが娘、天穂のサクナヒメここにあり!と言われた気がして、僕はあふれ出る涙を止めることはできませんでした。

 

なんかまだ文章にできてない部分がたくさんあるかと思うんですが、いつまでもサクナヒメひきずっててもゼルダ無双できないんでこのあたりで本当に終わりにします。自分の中での区切りをつけるための儀式なので・・・この記事は・・・

 

ではまた。